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2014年末のC87冬コミに落選し、失意に満ち溢れ呆然とした様子でNKDCに立ちすくむメンバー一同。
NKDC……それはQueen BellのメンバーがCDの印刷や加工を行うとされている、関東某所にあるデータセンターの呼称である。
「今度こそは……」と2015年夏のC88夏コミに応募するも、まさかの「書類不備」にて落選が確定。
大事な場面でポカをやらかすと世間で定評のあるQueen Bellのリーダー・囲前 栞(かこまえしおり、と読む)、および
早いときは1日に1曲を生み出すもののその1日が中々やってこないQueen Bellの作曲担当・浅川 サナタ(あさかわさなた、と読む)、
作曲にも手を出したがリアル多忙でマトモに制作できないQueen Bellの編曲担当・仁村 雅雪(にむらまさゆき、と読む)の3名は
「2015年春のM3に受からなかったら『音楽性の違い』を理由に解散してやる!」という謎の声明文を発表、
M3準備委員会に宣戦布告を突き付けたのであった。
そしてそれが功を奏したのか、Queen Bellは見事M3に初応募初当選の格好となったのであるが、
よもやこれが後に起きる大惨事のトリガーであるとは誰が予見できたであろうか。
――エピローグ
当選したM3に向け、いつものようにNKDCにてCDRレーベル面の印刷やらジャケットのカッティング等、
人件費を完全に無視した人力制手工業によるCD製作作業を行っていたときのことである。
突如として轟音がNKDCに響き渡る。
『ドゴォォォオオォォ!!』
その音を聞いたメンバーは戦慄し、打ち震え、驚愕した。
まさかこの期に及んでM3準備委員会の正義の鉄槌が下される瞬間が来ようとは。
そして、よりにもよってM3前日のこのタイミングで、NKDCの場所が割れようとは。
それはまさにNKDCの厚さ2cmに及ぶ鋼鉄製のドアがぶち破られた瞬間であった。
「逃げろ!! 製作を完了した分だけ持って逃げろ!! ここは私が食い止めるッ!!
みんなが私達の旧譜を待ち望んでいるんだ!! 生き残れたら会場で会おう!!」
リーダーの囲前はそう叫ぶと同時にドアへ全力でダッシュ。
1秒でも長くメンバーが脱出できる時間を稼ごうと努力したが結果は、惨たらしいものであった。
蜂の巣になったリーダーの図(クリックで拡大)
NKDCはQueen Bellにおけるデータセンターとしての役割を担っている一方で、主要防衛施設としての一側面も持つ。
防衛施設であるからして、当然、銃火器も配備されている。
それほどまでにNKDCはQueen Bellにとって重要な拠点なのだ。
「クソッ、リーダーがやられた!! ここは俺が行く!! サナタ、逃げろ!
作曲できるお前が死んだらQueen Bellは解散の危機だッ!!」
編曲担当の仁村は持ち前の変身テク(ただしシーンは尺の都合上カットされた)で瞬時に着替え
愛用のショットガン・レミントンM870を持ち出し侵入者に挑むも、
日頃の運動不足と睡眠不足、野菜をはじめとする栄養不足により、あっけない最期を迎えたのであった。
いつの間にか着替えていた編曲担当の図(クリックで拡大)
残るは作曲担当の浅川のみである。M3準備委員会の正義の鉄槌はすぐそこまで迫っている。
正義感あふれる浅川は、囲前の残していったイタリアのピエトロ・ベレッタ社製M92Fを拾い上げ、弾を込める。
「クソッ、なんだってこんなことに……こんなことになるならM3なんか参加しなければ!!
俺の50BMG弾で体ごと真っ二つにしてやる!! 喰らえッ!!」
が、もちろん50BMG弾(12.7x99mm NATO弾)はM92Fには入らない。
M92Fが使うのは9x19mmパラベラム弾である。
しかし浅川は気が動転しそんな初歩的なことにも気づかない。

スライドストップしたM92Fに50BMGを
入れようとする作曲担当の図(クリックで拡大)
「ブルブル……違う!! これじゃない!! この弾じゃない!!」
弾の口径が違うことにようやく気づく浅川。
再度弾を装填しようと手に取ったのは、仁村の残していった12ゲージショットガンシェルである。
が、もちろん12ゲージショットガンシェルはM92Fには入らない。
もう1度書くが、M92Fが使うのは9x19mmパラベラム弾である。
もう1度書くが、しかし浅川は気が動転しそんな初歩的なことにも気づかない。

スライドストップしたM92Fにショットガンシェルを
入れようとする作曲担当の図(クリックで拡大)
そうこうしているうちに、M3による正義の鉄槌は残されたドア1枚を発破し、浅川の目前まで迫る。
「ガガーン!!」
響き渡る銃声。いつまで経っても正しい口径の弾丸を装填できない浅川。
果たしてQueen Bellの行く末は、どっちだ。
~完~
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